母の仕事 (11.5.13)
私の母は60歳になるまで看護師をしていました。
幼い頃から「お母さんが看護師だと病気になった時に安心だね」とよく周りの人からは言われていました。確かに安心ですが、看護師なので少々の怪我などにはすぐに自宅で容赦なく手当てをします。棘が刺さったと言えば針を思いっきり刺してサッサと棘を抜いてしまうし、兄が幼い頃ブランコから落下した時も頭から血を流して帰ってきた兄の頭に「頭は血が出やすいだけだから大丈夫」と言っていきなり外の水道水を兄の頭にかけたりと、母の目の前で怪我をしたときは、その手当てにビクビクしていました。
家族の仕事をしている姿というのはあまり見ることが出来ませんが、母が近所のスーパーに買い物に行った時に偶然スーパーの前で交通事故を目撃し、バイクで転倒し意識がなくなった人に人工呼吸をし、血だらけになって帰宅してきた時にはさすがに「すごい!」と思いました。人の命を救うなんて事はまず私には出来ないことですから・・・。
そんな母も68歳になったのですが、今年に入って近くの介護施設で看護職員として、また働くことになりました。60歳で仕事を辞めてから何となく自信をなくして気弱になった感じがしていましたが、働きに行くようになって会話も増え、少し行動的になったような気がします。
年齢的にも仕事は大変だと思いますが、毎日いきいきと人のためになる仕事をしている母を見習わなくてはと思う今日この頃です。
(齋藤 美穂)