「生存確認」 (21.10.12)
夏が来る前、我が家に1匹のクワガタ君がやってきた。ある日、主人が飼育セットごともらってきたと大事そうに抱えて帰ってきたのだ。小さなクワガタ君で透明な飼育ケースの中で所在がない感じでウロウロしていた。
おが屑に木の枝、えさのゼリーで飼育ケースをクワガタ君の生活スペースに大改造。以前にも飼っていたことがあるので、そのあたりはお手のもの。あっという間に素敵なおうちの完成である。
しかし、クワガタ君は、木の枝とおが屑の間のスペースが大好きなのか、ずっと潜ったまま、最初にお目にかかってからは見かけることがなくなった。生きているのか息絶えているのかさえ分からない状態となったので、苦肉の策。えさのゼリーの上にマッチ棒を横に置いてみた。食事タイムは、夜中と留守中なのでマッチ棒が落ちてえさが減っていれば何とか生きていることが確認できる。
ある日、食事に夢中だったのだろう、帰ってお家を覗くとゼリーに頭を突っ込んでいたが、気配に気づくとあたふたと一目散におが屑の中にもぐってしまった。なんと逃げ足の速いことか! とはいえ、久しぶりのご対面で元気な姿が見られたので良かったと思う。間接的生存確認ではなく、直接の生存確認である。
(酒井洋美)