あまり話したことがないのだが、20代の頃パラグライダーをしていた。
一日待ってもアゲインストの風が吹かず、諦めて山を下りたことも多々あった。
風が来たら斜面を駆け下りつつ、帆に風を孕み両腕で思い切り機体を起こす。
イチ、ニ、サン!!
飛び出すのはわりと簡単だが一応の覚悟はして飛び出す。
右腕を引けば左に、左腕を引けば右に回転する。着地するときは両腕を下ろす。
調子良く浮かんでいるつもりでも、急に気流がなくなって落ちたことも何度かある。
運よく葦の茂みに落ちたのだ。
遠い日。
もしまた飛ぶことが出来るのなら、スカイダイビングにしよう。
(敦子)