「どうせ」と「せっかく」 (12.4.17)
「どうせやるんだったら、楽しみましょうよ」
先日、夕食をとりながら何気なく観ていたTVドラマの中で出演者が発した言葉である。耳にした瞬間、「ん?」っとなった。その場合、「せっかくやるんだから、楽しみましょうよ」って言ったほうがいいんじゃないのかなあって思った。
「どうせ・・・」だと、本当はやりたくないんだけど、しかたなくやることにしたって感じで、どうしても他動的というか、義務感みたいなものを払拭できない。で、やると決めた今もできればやりたくないみたいなニュアンスがそこにある。そうすると、楽しめる可能性はほぼゼロに近いわけで・・・などとひとりで考えていた。別に暇を持て余してるわけじゃないんですけどね。
「せっかく・・・」だと、最初は嫌だったけど、まあよくよく考えたら悪いことばかりじゃなさそうだな、じゃあやるかっ!みたいな感じで、今は能動的にやる気になっているというニュアンスになる。そうすると、それをすることを楽しんでいるその人の姿がなんとなく想像できる。
まあ、人それぞれ感じ方は違うし、「どうせ」と「せっかく」も今述べた用法だけではないが、やはり「せっかく」のほうが自然に出てくるようでありたいなと思った。
それにしても、日本語ってむずかしいなぁ・・・
(松本 秀紀)