心ありきではない。 (16.7.8)
イチロー選手には、人に笑われてきた悔しい歴史があるのだとか。小学生の頃、365日中360日練習していたという。「あいつプロ野球選手にでもなるのか」と近所の人に笑われていたらしい。そしてプロ野球選手になった。海を渡り大国アメリカで大リーグに挑戦するときも、「首位打者になってみたい」と言って周囲に笑われたらしい。そして、ほとんどの選手が一度も手にすることのないそのタイトルを2度も獲得した。
彼は、心は後からついてくるものだという。目標に向かって、毎日繰り返し体を動かすことによって強い心ができるのだと。なんだか荒行に挑む修行僧を連想する。天賦の才能と強い精神力が彼を支えてきたのだと思っていた。彼によると逆なのだ。人に笑われようが批判されようが、遮二無二信じる道をすすむ。結果、誰にもまねできない技術と何事にもゆるがない心が身につく。
「つべこべ言わずにやれ!」。端的に言うとそういうことなんだろう。偉人の言葉はいつもシンプルで深い。
(松本秀紀)