夏、高校野球。 (14.8.12)
突き抜ける青い空、沸き立つ入道雲、蝉の声、風鈴の音、花火・・・。夏のイメージは人それぞれだろうが、わたしはやはり夏といえば高校野球だ。若い力が全力でぶつかり合い、最後は勝者と敗者が互いの健闘をたたえ合う。なんとも清々しい気持ちにさせられる。今年も多くの感動を与えてくれることだろう。
今、世界で起こっている紛争の数は40を超え、その紛争地域に暮らす人々の数は、なんと23億人だそうだ。世界の人口のうち、実に3人に1人は、なんらかの紛争に巻き込まれていることになる。無理やり戦わされる18歳以下の子ども兵も30万人もいるという。銃が持てるようになると戦闘員にさせられ、ときには地雷があるかどうかの確認のために先を歩かされる。自爆兵としての訓練も受けるのだそうだ。
彼らの未来に夢などあろうはずもない。生まれたときから、そこは殺し殺されることが常態化した世界だ。遠く離れた日本という国に、ただひたすら無心で白球を追う、自分たちと歳の変わらぬ少年たちがいることもおそらく彼らは知らない。平和というものを知らず、大人になる日を待たずに死んでいく。悲劇だ・・・。夏、高校野球。この国の平和の象徴だ。いつまでも続いてほしいと願う。
(松本 秀紀)