アップルパイのサクラ (13.3.1)
何気なく立ち寄った物産展の入り口で「あなたはアップルパイ好きな顔をしてるね!こっち来て!」と見ず知らずの人に引っ張って行かれました。
「えっ~!?」と思うと同時に、本当にアップルパイが好きなので「何で知っているんだろう・・」と思いつつ、逆らえずについて行くはめになってしまいました。
すごい人混みの中、手を引かれ着いた先は、さっきまでの人混みがうウソのように閑散としたケーキ屋さんの前でした。強引に手を引いて行ったちょっと強面のその人は、ケーキ屋さんの店主さんでした。
物産展の他のお店の前には行列ができているのに、なぜかそのお店には人がいません。その様子に驚いている私の様子を見た店主さんは「なぜかウチの店にはお客さんが来ないんだよね・・・」と、強面に似合わない悲しそうな顔でつぶやいてきます。店主さんの顔がコワイからなんじゃないのかなぁ。。。と思いつつも、そんなことも言えず、そのお店の売りであるアップルパイを試食させてもらいました。
食べたアップルパイは、見た目も味も普通でしたが、私の好きなタイプのアップルパイでした。強面の店主さんがこのアップルパイを焼いているんだと思うと、そのギャップにちょっと笑えてしばらく談笑していると、空っぽだったお店にパラパラとお客さんが来始め、私のサクラとしての役目は果たせたようでした。
ごく普通のアップルパイを一枚購入し、サクラの代金としてでしょうか、ちょっとだけおまけのケーキをいただき少し楽しい気分で帰りつつも、食べ物につられてついて行った自分をちょっと反省したりもしました。(福原)