年越し派遣村が、何を問題提起したか! (09.1.15)
麻生首相もよく口にする「百年に一度の経済危機」。しかし、それへの対応は、定額給付金など選挙対策と言われ、自民党内からさえ「究極のバラマキ予算」「公明党のごり押しのせいだ」と不満が出ている。百年に一度の対応策を出してこそ、「百年に一度の経済危機」を何回も口にする首相の値打ちが出ようと言うものだが・・・・。
また、この政権を後押ししている財界も値打ちがない。例えばトヨタ。誰のお陰でトヨタは所得2兆円を稼いできたのか。低賃金の労働者や低単価の下請け業者が支えたからではないか。トヨタの大量'非正規切り'は、本体で6000人、グループ全体では11060人。一方、トヨタ本体の株主への中間配当が8年前の5倍、2078億円。内部留保が2倍の13兆8千億円。雇用維持に要する資金は、中間配当の8分の1か、内部留保の0.2パーセントで充足される。ところが、この世界のトヨタが、トップを切って'生首切り'をすると、次々と巨大企業がそれに続く。大企業の社会的使命はどうなっているのか。
これまでだと報道しなかった事象をマスコミが取り上げだした。「年越し派遣村」の活動は、私たちに大きな問題提起をした。500人の入村者に1700人余のボランティアが参加し、私の知人4人もその中に居た。他人のお金を右から左へ動かして荒稼ぎ出来る世の中も、変えてもらいたいが、人間を右から左へ動かして儲ける制度は廃止し、公営でやるべきだ。
(乃口健一)