合同経営月刊報

2022.11月号

知っていますか?代替休暇制度

 「代替休暇」とは、法定時間外労働が1ヵ月あたり60時間を超えた場合に、労使協定により、その超えた時間に対する割増賃金(割増率が50%になる部分)の支払いに代えて、相当の休暇を与えることができる制度です。代替休暇は、2010(平成22)年4月1日施行の労働基準法の改正によって、創設された制度です。
中小企業においても、2023(令和5)年4月1日以降は、代替休暇制度の適用対象となります。

代替休暇の時間数の計算方法

 代替休暇は、割増賃金の支払いに代えて休暇を与える制度であることから、割増賃金を休暇に換算するための計算が必要です。

代替休暇として与えることができる時間

換算率

 上記の計算式のうち「換算率」とは、割増賃金を休暇に換算するための率をいい、次の計算により算出します。

換算率の求め方

法律上の最低ラインの割増賃金率で計算すると、換算率は25%(50%-25%)となります。

計算例
  • 1ヵ月の法定時間外労働…68時間
  • 割増賃金率…60時間まで25%・60時間超50%(法定どおりの率の場合)

計算

近年急増!!休職トラブル!

 ストレス社会といわれる現代社会では、心の病が原因で、休職・離職に至る社員も少なくありません。社員が私傷病等によって休職する場合に、企業として正しい対応ができるよう、休職制度を見直してみましょう。

休職制度とは

 休職制度とは、業務外の事由によって一時的に労働提供ができなくなった場合であっても、解雇を一定期間猶予する制度のことです。
 今まできちんと仕事を頑張ってきてくれたからこそ、一時的に働けなかったとしても、その社員を解雇せずにとどめようという意図があります。

定めておきたいルール

 休職の制度を設ける事は法律で義務付けられていない為、会社の判断で自由に決められます。以下のような項目を定めるのが一般的です。

1適用対象者
 雇用形態によって差を設ける事は、同一労働同一賃金の観点から問題となる可能性が高いです。一方で、試用期間中かどうかや勤続年数によって差を設ける事は問題ないと考えられます。
2休職事由
 業務外の傷病・精神又は身体上の疾患・自己都合による欠勤など、休職をする場合の理由を定めます。
3休職要件
 「欠勤が○ヵ月を超えた場合」など、期間を定める事が一般的です。
 期間を定める場合、その欠勤が連続する場合と、断続する場合とに分けて定める事をお勧めします。
4休職期間
 勤続年数によって差を設け、最低3か月、長くて1年6か月としている会社が多くあります。
5休職期間中の取扱い
賃金:無給で問題ありません。
社会保険料:労働者負担分は免除にはなりませんので、会社への納付方法を明示しておいたほうがよいでしょう。
住民税:社会保険料と同じく、会社への納付方法を明示しておいた方がよいでしょう。普通徴収や一括徴収に切替える事も可能です。
勤続年数:勤続年数には含めないのが一般的です。
6復職時の取扱い
 休職事由が本当に消滅しているかの確認、復職後の業務についての検討が必要になります。
 医師の診断書の提出や、必要な場合は産業医への受診をさせることがある旨を定めておくとよいでしょう。
7復職できない場合の取扱い
 休職期間の満了に伴い退職または解雇扱いとする場合、会社は社員に事前に退職通知または解雇通知を交付しておく必要があります。
 通知には、休職期間が満了する期日、退職または解雇の根拠となる就業規則の条文、退職または解雇をする期日という情報を記載しましょう。

 休職制度は、欠勤が長引く際でも復帰できることを目指し、会社・労働者お互いが心配のないよう定めるルールです。休職制度を設ける事は法律上の義務はありませんが、設けた場合は就業規則へ記載しなければなりません。会社・労働者がルールをきちんと認識するためにも就業規則へ記載するようにしてください。

その他ご不明な点がございましたら、合同経営にご相談ください。
お問い合わせはこちらから
ページトップへ

合同経営月刊報 access

公開講座のお知らせ

セミナー動画

ダウンロードサービス

ダウンロードサービス

登録はこちら

メディア掲載

  • 安心のサービスをご提供いたします 香川県ケアマネジメントセンター
  • 合同経営労務協会労働保険事務組合
  • 良さんの釣り日記

ジョブ・カード情報