合同経営月刊報

2019.9月号

2019年相続税関連の改正のポイント!

1.個人事業者の事業用資産に係る納税猶予制度の創設

 個人事業主が事業の用に使用していた財産を相続または贈与により譲り受けた人が、事業承継の後継者になる場合で一定の要件を満たす場合は事業用資産にかかる相続税または贈与税の納税が猶予されます。
 中小企業の場合に対象となる財産は株式だけでしたが、個人事業者の場合には以下の事業用資産が対象となります。

  • 個人事業者の事業の用に使用されていた土地で400㎡まで建物で800㎡までの部分
  • 建物以外の減価償却資産で、青色申告書に添付する貸借対照表に計上されている資産
【適用の主な要件】
  • ①2019年1月1日から2028年12月31日までの間に相続等により特定事業用資産を取得していること。
  • ②相続人が承継計画に記載された後継者であって、中小企業における経営の承認の円滑化に関する法律の規定による認定を受けた相続人であること。
  • ③事業を継続していくこと。
  • ④担保を提供すること。
  • ⑤その他書類要件あり。
2.特定事業用宅地等に係る小規模宅地等についての特例要件見直し

 小規模宅地等の特例とは→最大400㎡部分まで評価額の最大80%減額可能。
 2019年4月1日以降は「相続開始前3年以内に事業の用に供された宅地等が適用要件から除外される」という要件が追加されました。(その宅地等の上にある減価償却資産の額がその宅地等の相続時の価額の15%以上である場合には相続開始前3年以内であっても適用可能です。)

3.配偶者居住権等の評価方法

 2019年民法改正で新たに「配偶者居住権」という権利が創設されました。
 この権利は、被相続人が所有していた建物に同居していた配偶者が、被相続人が死亡した後も一生その建物を無償で使用することができる権利です。この権利の創設により、相続税の財産評価における配偶者居住権の計算方法が定められました。

【建物】
配偶者居住権
配偶者居住権が設定された建物
【土地】
配偶者居住権の敷地
配偶者居住権が設定された建物の敷地
4.特別寄与料に係る課税制度

 2019年の民法改正において「特別寄与料制度」という制度が新設。
 これは、法律上の相続人に該当しない人(例えば被相続人の長男の嫁)が、無償で介護などの手伝いをしていた場合に、その人(例の長男の嫁)が相続人に対して介護の対価として金銭を請求できる制度です。
 この場合、長男の嫁は「特別寄与者」で介護の対価は「特別寄与料」と呼ばれ、特別寄与者は特別寄与料を『遺贈』されたものとみなして、相続税が課されます。

2019年10月最低賃金が改正されます!!

 中央最低賃金審議会(厚生労働相の諮問機関)の小委員会は2019年度の全国の最低賃金の目安を27円引き上げて時給901円にする方針を決めました。
 引き上げ額は過去最大となっており、持続的に賃金を引き上げるには、企業の生産性向上が課題となってきます。
 最低賃金は経営者と労働者の代表に学者を加えた公労使で構成する審議会で年1回、引き上げの目安を決め、この目安をもとに各都道府県で議論し、10月を目処に改定されます。
 目安通りに引き上げられた場合の最低賃金は、以下のようになります。

香川県
時間給792円→818
(引き上げ額26)
神奈川県
時間給983円→1,011
(引き上げ額28)
愛知県
時間給898円→926
(引き上げ額28)

2019年4月施行「在留資格特定技能」が新設されました

~「受入れ機関 飲食料品製造業分野」編~

 飲食料品製造業は、事業所数及び従業者数が製造業の中で、第一位であり、雇用と生産を支える産業として重要な役割を担っています。しかし、有効求人倍率も高く、人手不足が深刻化しており、飲食料品製造分野では、業界全体で向こう5年間で73,000人が不足すると予想されています。この事態を受け、特定技能の飲食料品製造分野で受け入れる人材は、向こう5年間で最大34,000人の受け入れを見込んでいます。

対象業種・業務等について

 飲食料品製造業分野の対象は、以下の日本標準産業分類に該当する事業者かつ次の事業を主たる業務として行っている事業者が対象です。

日本標準産業分類
食料品製造業
清涼飲料製造業
茶・コーヒー製造業(清涼飲料を除く)
製氷業
菓子小売業(製造小売)
パン小売業(製造小売)
豆腐・かまぼこ等加工食品小売業

  • 畜産食料品、水産食料品の製造・加工
  • 野菜缶詰、果実缶詰、農産保存食料品の製造・加工
  • 調味料、糖類、動植物油脂の製造
  • 精穀、製粉、でんぷん、ふくらし粉、イースト、こうじ、麦芽の製造
  • パン、菓子、めん類、豆腐、油揚げ、冷凍調理食品、そう菜の製造
  • 清涼飲料、茶、コーヒー、氷の製造
  • 菓子類、あめ類の製造小売
  • パン類の製造小売
  • 豆腐、こんにゃく、納豆、漬物、かまぼこ、ちくわなどの加工食品の小売

※飲食料品製造業には、酒類製造業、塩製造業、医薬品製造業、香料製造業、飲食料品卸売業、飲食料品小売業などは含まれません。

 特定技能外国人が従事することができる業務内容は次のとおりです。飲食料品製造業に係る業務に従事する日本人が通常従事することとなる関連業務に付随的に従事することも可能です。但し、関連業務のみに従事することは認められません。

従事する業務
飲食料品製造業全般の製造・加工(酒類を除く)
安全衛生(使用する機械の安全確認、作業者の衛生管理等)

関連業務
原料の調達・受入れ
製品の納品
清掃
事業所の管理の作業
飲食料品製造業分野の外国人の要件

 従事する業務内容、能力評価のための試験等については、つぎの表のとおりです。

共通(特定技能1号・2号) 特定技能1号 特定技能2号
特定技能外国人が
従事する業務区分
技能水準
及び
評価方法等
日本語
能力水準
及び
評価方法等
試験免除等となる
技能実習2号
技能水準及び
評価方法等
職種 作業
【特定技能1号】
飲食料品製造全般
(飲食料品(酒類を除く。)
の製造・加工,安全衛生)
飲食料品
製造業
技能測定
試験
国際交流
基金
日本語基礎テスト
又は
日本語能力試験
(N4以上)
缶詰巻締 缶詰巻締
食鳥処理
加工業
食鳥処理
加工
加熱性水産
加工
食品製造業
節類製造
加熱乾製品
製造
調味加工品
製造
くん製品製造
非加熱性
水産加工
食品製造業
塩蔵品製造
乾製品製造
発酵食品製造
水産練り製品製造 かまぼこ製品製造
牛豚食肉
処理加工業
牛豚部分肉
製造
ハム・
ソーセージ・
ベーコン製造
ハム・
ソーセージ・
ベーコン製造
パン製造 パン製造
そう菜製造業 そう菜加工
農産物漬物
製造業
農産物漬物
製造

(出展:法務省 特定の分野に係る特定技能外国人受入に関する運用要領別冊抜粋)

飲食料品製造業分野の受け入れの要件
  • ①飲食料品製造分野の協議会の構成員であること
  • ②農水省が組織する協議会に参加し、必要な協力を行うこと
  • ③農水省が行う調査・指導に対して必要な協力を行うこと
  • ④直接雇用すること
  • ⑤日本人と同等以上の報酬額を払うこと

外国人雇用にご興味のある事業者様、雇用を検討されている事業所様。当法人では、外国人雇用に関する各種相談などのサポートを行っております。お気軽にご相談ください。

その他ご質問等がございましたら、私ども合同経営にご相談ください。
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