2025年9月号
2025年最低賃金、歴史的な「63円引上げ」!!香川県も過去最大66円引上げで「1,036円」に!!
厚生労働省の中央最低賃金審議会は、2025年度(令和7年度)の地域別最低賃金の“目安”として、全国加重平均で時給1,118円に設定するよう答申しました。
これは、前年度に比べて63円の引き上げにあたり、制度開始以来最大の額です。
この目安額をベースに各都道府県の審議会を経て、都道府県ごとの最低賃金が決定し、10月より改定が実施されます。
これを踏まえて、香川県の最低賃金については、8月20日の香川地方最低賃金審議会にて目安額を3円上回る「66円」の引き上げを行うことが答申されました。
この答申により香川県としては初めての最低賃金が1,000円台となる「時給1,036円」になり、2025年10月18日より正式に発効される予定です。
今回の過去最大となる最低賃金の引き上げについては、労働者に大きな期待感を持たせる一方、多くの中小企業にとっては度重なる物価高・人手不足という苦しい経営環境に更なる追い打ちをかける厳しいものになります。
特に地方の中小企業においては都市部に比べて人手不足が深刻化しており、企業の業績向上と賃金の引き上げを両立させるためには、中小企業の生産性向上への支援や負担の減少等の環境整備に国や社会全体で取り組んでいくことが必要です。
特定技能・育成就労制度の最新動向
~制度運用に向けた準備のすすめ~
特定技能制度および育成就労制度は、2027年4月より本格的に運用が開始される予定です。現在、国において2025年12月までの運用要領の策定に向けて、具体的な検討が進められています。
1.移行可能な分野の整理と育成就労制度の対象外業種について
2025年5月時点で、特定技能制度の対象は以下の16分野です。ただし、育成就労制度では「特定技能へ移行することを前提として教育すること」が基本方針とされているため、一定の専門免許が必要な業種などは除外される見込みです。
具体的には、自動車運送業や航空業は、育成就労制度の対象外となる予定です。
【特定技能16分野(2025年5月時点)】
介護、ビルクリーニング、工業製品製造業、建設、造船・舶用工業、自動車整備、航空、宿泊、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業、自動車運送業、鉄道、林業、木材産業
※自動車運送業・航空は育成就労制度の対象外予定
なお、従来の技能実習制度では特定技能への移行ができなかった分野も、育成就労制度では対象に含まれる予定です。今後の制度運用に向けて、自社の事業がどの分野に該当するか、どの制度を活用するかを早期に検討し、年内に決定される運用要領の内容を踏まえて採用計画を立てていくことが重要です。
2.新たに追加される予定の分野について
特定技能制度では、深刻な人手不足が続く分野を中心に対象業種の拡大が図られています。
現在、以下の3分野が新たに追加される方向で詳細が検討されており、該当分野に携わる事業者にとっては外国人材の受け入れを通じて人手不足を解消する好機となります。
【追加予定分野と業務内容】
分野名 | 業務内容 |
---|---|
リネンサプライ | リネン類(ホテルリネン、病院・福祉リネン等)の契約先への貸し出し、使用済みリネン類の回収・洗濯仕上げ・納品業務 |
物流倉庫 | 倉庫業者、貨物自動車運送事業者、荷主事業者が使用する施設における物品の搬入・搬出、仕分け、流通加工、入出荷検品、積み卸し、積み直し、在庫管理、物流機器の操作・点検・管理、作業全般の管理等 |
資源循環 (中間処理) |
廃棄物処理施設における廃棄物の処分に従事する業務 |
3.分野内業務区分の見直しと拡大
特定技能制度の受け入れ対象を拡充する一環として、次のような業務区分の見直しも進められています。
これにより、これまで日本標準産業分類に該当せず対象外とされていた事業者も、制度活用の可能性が広がります。
- 業務区分の追加
- 業務内容の追加
- 業務区分の細分化・再整理
各分野における業務内容は今後さらに明確化される予定ですので、自社が該当するかどうかを随時確認していくことが重要です。
今後の制度動向を注視し、変更に柔軟に対応できる体制づくりを早期に進めておくことが、将来の人材確保に向けた大きな鍵となるでしょう。
その他ご不明な点がございましたら、合同経営にご相談ください。