2025年8月号
税務調査は突然やってくる?よく見られるポイントとは
「税務調査」と聞くと、「うちに来ることなんてあるの?」「何を見られるの?」と不安に感じる経営者の方も多いと思います。
実際、税務調査は突然行われるものではなく、事前通知があるケースがほとんどですが、まれに事前通知なしに、会社や店舗に税務職員が訪れる場合もあります。
今回は、初めての税務調査に備えて、「よく見られるポイント」と「事前に準備できること」をわかりやすくご紹介します。
1.税務調査が行われるタイミングとは?
税務調査には大きく分けて2つあります:
- 任意調査(一般的な税務調査):事前通知があり、納税者の同意のもと行われます。
- 強制調査(査察):悪質な脱税が疑われる場合に行われ、事前通知なし。
中小企業の場合、3~5年に1回程度の調査が一般的です。売上規模の急激な変動や赤字が続いている場合、または同業他社と比べて利益率が極端に違う場合などに調査の対象になりやすい傾向があります。
2.調査官がよく見るポイントとは?
税務調査では、帳簿や証憑(領収書・請求書など)をもとに、適正な申告が行われているかを確認します。
特によく確認されるのは次のような項目です。:
- 売上の計上漏れ
現金売上や未収入金の把握が適切か。預金口座(法人の場合、個人口座も含まれます)との突合も行われます。 - 経費の私的流用
飲食代・交際費・車両費などが、本当に業務に関係しているかが問われます。 - 役員報酬・役員賞与
定期同額ルールが守られているか、期末に臨時支給していないか等を見ます。 - 在庫の過大・過少計上
棚卸の記録と実物が一致しているか、決算書との整合性が重視されます。 - 家族への給与
働いていない配偶者や子への給与支給がある場合、その妥当性が問われます。
3.調査前にできる備えとは?
調査の通知があってから慌てるのではなく、日頃からの整備が何よりの対策です。
- 帳簿と証憑の整理
領収書や請求書は、科目ごと・月別に整理して保管しましょう。 - 不明な取引の説明準備
会計ソフト上で摘要が不明な取引には、メモや資料を添付しておくと安心です。 - 税理士との連携
調査が入る場合は、必ず税理士と一緒に対応することが望ましく、やり取りの仲介や意見主張をしてくれる強い味方になります。
4.調査=悪ではない
税務調査は、正しい申告をしていれば恐れる必要はありません。むしろ、調査後に帳簿管理のアドバイスを受け、経理体制を見直すきっかけになります。
きちんと説明できる状態を整えておくことが、最大の防御策です。
まとめ
税務調査は突然ではなく、通知と準備の時間があるものがほとんどです。調査の対象になっても、慌てず落ち着いて対応すれば大丈夫です。
「何を見られるか」よりも「日頃どう管理しているか」が問われると心得て、普段からの備えを大切にしましょう。
不安な点があれば、事前に顧問税理士へ相談するのが安心です。
その他ご不明な点がございましたら、合同経営にご相談ください。