2025年5月号
住民税ってどんな税金?
5月も後半になると、各自治体から住民税の通知が届き始めます。
会社員の方は「給与から毎月引かれているけど、そもそも住民税って何?」と思うこともあるかもしれません。また、「所得税と何が違うの?」という疑問を持つ方も多いでしょう。住民税の仕組みや住民税と所得税の違いについてご紹介します。
1. 住民税とは?
住民税は都道府県や市区町村に納める税金です。所得に応じて課税されるため、「地方の所得税」のようなイメージを持つとわかりやすいです。住民税は、私たちが住む地域の道路整備、教育、福祉、消防などの行政サービスのために使われています。
住民税は大きく「均等割」と「所得割」の2つに分かれます。
- 均等割:所得に関係なく、一定額を負担(標準税率:年額4,000円)
※令和6年度から森林環境税(国税)が住民税と併せて年額1,000円徴収 - 所得割:前年の所得に応じて税額が決まる(標準税率:10%)
→つまり、前年の所得が多ければ多いほど住民税の額も増える仕組みです。
2. 所得税との違いは?
住民税と所得税は、どちらも「所得に対して課税される税金」ですが、いくつかの違いがあります。
住民税 | 所得税 | |
---|---|---|
納める先 | 自治体(都道府県・市区町村) | 国(税務署) |
税率 | 原則一律10% | 累進課税(5%~45%) |
計算方法 | 前年の所得をもとに計算 | その年の所得をもとに計算 |
支払い時期 | 6月から翌年5月まで | 年末調整又は確定申告で精算 |
ポイント①:税率の違い
所得税は「累進課税」が採用されており、所得が増えるほど税率が上がります。一方、住民税の所得割は一律10%(都道府県民税4%・市町村民税6%)です。
ポイント②:課税のタイミングの違い
所得税はその年の所得をもとに計算され、年末調整や確定申告で精算します。一方、住民税は前年の所得をもとに計算されるため、「1年遅れで課税される」のが特徴です。
3. 住民税の支払い方法は?
住民税の納付方法は、主に2種類あります。
①特別徴収(会社員)
- 会社が給与から住民税を天引きし、自治体へ納付
- 6月から翌年5月まで毎月給与から差し引かれる
②普通徴収(個人事業主・フリーランスなど)
- 自治体から送られてくる納付書や口座振替で支払う
会社員の方は給与天引きなのであまり意識する機会がありませんが、転職や退職をした際は納付方法が変わることもあるため注意しましょう。
<まとめ>
- 住民税は地方税で、前年の所得をもとに計算される
- 所得税との大きな違いは、税率(住民税は一律10%)と課税のタイミング
- 会社員は「特別徴収」、個人事業主は「普通徴収」で納付
住民税が「こんなに高いの?」と驚かれる方もいるかもしれませんが、前年の所得をもとに計算されるため、所得が大きく増えた年の翌年は住民税の負担が重くなります。特に、昇給やボーナス、臨時収入があった場合は、その分の住民税が増えることを念頭に置き、資金計画を立てておくことが大切です。
令和6年度 処遇改善加算 実績報告のポイント
4月に令和7年度の計画申請がひと段落しましたが、次は令和6年度の実績報告の時期です。令和6年度は6月に加算が一本化され新加算へ移行した年であり、実績報告も従来と異なる点があります。あらかじめポイントを押さえておきましょう。
※本内容は令和7年3月時点の公表情報を基に作成しています。実際の提出様式や提出方法は、必ず各指定権者からの情報をご確認ください。
ポイント1 旧ベア加算の賃金改善について(月額賃金改善要件Ⅲ)
令和6年4月から新たにベア加算を算定した事業所が対象です。対象となる事業所では令和6年4・5月分のベア加算による受取額の内、2/3は毎月のベースアップにより改善し、その金額について実績報告書様式3-1の3(2)に記載する必要があります。
令和5年度から引き続きベア加算を算定していた事業所については、上記内容の箇所は記載の必要がないためグレーに色付けされます。この他にも算定状況により必要な作成箇所が変わるため、報告書作成時は注意しましょう。
ポイント2 支援補助金の受給額の記載
令和6年度に実施された「処遇改善支援補助金」を申請し、受け取った場合、その金額も記載が必要です。金額は「介護職員処遇改善支援補助金 支払額内訳書」(国保連より通知)で確認しましょう。
また、この補助金は年度をまたいで支給されているため、報告時には令和6年2・3月分を令和5年度分、令和6年4・5月分を令和6年度分として金額を分けて記載する必要があります。
ポイント3 個票は旧3加算用と新加算用の2種類
例年の実績報告では、事業所別の金額等を記載する個票は「別紙様式3-2」の1枚でしたが、令和6年度は「別紙様式3-2 令和6年4・5月分(旧3加算)」「別紙様式3-3 令和6年6月以降分(新加算)」の2種類に分かれています。作成時には混同しないよう注意が必要です。
処遇改善加算については毎年の制度改正や複雑な要件など、対応に悩まれることも多いかと思います。ご不安やお悩みなどありましたら是非一度ご相談ください。
その他ご不明な点がございましたら、合同経営にご相談ください。