2025年2月号
2025年度介護職員等処遇改善加算 計画書作成におけるポイント
2025年度介護職員等処遇改善加算申請の大きな変更点は、「介護職員等処遇改善加算Ⅴ(1)~Ⅴ(14)が廃止となる」ということです。つまりは、2025年4月からは、介護職員等処遇改善加算Ⅰ~Ⅳのいずれかの要件を満たさないと加算が取得できなくなる、ということです。
では、2025年4月からも加算を取得できるようにするため、要件を確認していきましょう。
月額賃金改善要件について
加算Ⅰ~Ⅳを取得するには、「加算Ⅳの2分の1以上を、基本給または決まって毎月支払われる手当の改善にあてること」が必要です。
年間売上が1千万円の訪問介護を例にとってみましょう。
加算Ⅳ(14.5%)の2分の1を月々で支払する必要がありますので、
計算式:売上10,000,000円×加算Ⅳの加算率14.5%×1/2=725,000円となります。
つまり、年間725,000円以上の金額を、月額の基本給または手当で支払しなければならない、という事になります。
キャリアパス要件について
キャリアパス要件は、取得する加算区分によって求められる内容が異なります。取得する予定の加算の要件を満たすように準備をしましょう。また、内容によっては、就業規則や賃金規程を変更する必要がありますので、早めに取り組みましょう。
区分 | 加算Ⅰ | 加算Ⅱ | 加算Ⅲ | 加算Ⅳ |
---|---|---|---|---|
キャリアパス要件Ⅰ(任用要件・賃金体系) | 要 | 要 | 要 | 要 |
キャリアパス要件Ⅱ(研修の実施等) | 要 | 要 | 要 | 要 |
キャリアパス要件Ⅲ(昇給の仕組み) | 要 | 要 | 要 | – |
キャリアパス要件Ⅳ(改善後の賃金額) | 要 | 要 | – | – |
キャリアパス要件Ⅴ(介護福祉士等の配置) | 要 | – | – | – |
職場環境等要件について
2025年4月から職場環境等要件の内容や取組数の要件が変わります。厚生労働省ホームページに掲載されている具体例を見ながら、何の取組をするのか決めていきましょう。
区分 | 加算Ⅰ・Ⅱ | 加算Ⅲ・Ⅳ |
---|---|---|
入職促進に向けた取組 | 2つ以上 | 1つ以上 |
資質の向上やキャリアアップに向けた支援 | 2つ以上 | 1つ以上 |
両立支援・多様な働き方の推進 | 2つ以上 | 1つ以上 |
腰痛を含む心身の健康管理 | 2つ以上 | 1つ以上 |
生産性向上(業務改善及び働く環境改善)のための取組 | 3つ以上 | 2つ以上 |
やりがい・働きがいの醸成 | 2つ以上 | 1つ以上 |
2024年度は経過措置のため、要件が緩やかでしたが、2025年度はそうはいきません。
要件をしっかりとご確認いただき、2025年度計画書作成に備えるようにしましょう。
厚生労働省/介護職員の処遇改善:TOP・制度概要ホームページは、こちら

2025春季生活闘争方針を確定
「定昇分を含め5%以上(中小は6%以上)の賃上げを目指す」
連合(日本労働組合総連合会)は、2024年11月28日に開催した第94回中央委員会において、「2025春季生活闘争方針」を確定しました。
確定した内容の概要は次のとおりです。
- 経済社会の新たなステージを定着させるべく、全力で賃上げに取り組み、社会全体への波及をめざす。すべての働く人の生活を持続的に向上させるマクロの観点と各産業の「底上げ」、「底支え」、「格差是正」の取り組み強化を促す観点から、全体の賃上げの目安は、賃上げ分3%以上、定昇相当分(賃金カーブ維持相当分)を含め5%以上とし、その実現をめざす。
- 中小労組などは格差是正分を積極的に要求する。
- 賃金実態が把握できないなどの事情がある中小労組は、上記目標値に格差是正分1%以上を加えた18,000円以上・6%以上を目安とする。
- 持続的な賃上げと格差是正に向けて、適切な価格転嫁・適正取引の取り組みを強化する。
中小企業6%以上という目標は24年の賃上げ率5.33%より高い水準です。中小企業の賃上げ原資は限られており、価格転嫁などの取組が引き続き必要です。
次回は、合同経営のお客様が賃上げに向けてどのような取り組みを行っているのか紹介していきたいと思います。
その他ご不明な点がございましたら、合同経営にご相談ください。