コラム

蝉時雨

 運転中に聞いたラジオで耳に残った言葉がありました。

「最近蝉時雨が聞こえてきました」

せみしぐれ、改めて聞くと、美しい日本語です。

蝉時雨(せみしぐれ)とは、夏の季語で、たくさんの蝉が一斉に鳴く様子を、時雨(にわか雨)が降る音に例えた言葉です。まるで雨が降るように、蝉の声がザーザーと聞こえる様子を表しています。

ムシムシとした夏の暑さの中でミンミンと鳴く蝉の声が鬱陶しく感じるところを、「蝉時雨」という言葉がさらっと粋で風流に感じさせてくれるところに、日本語の良さがあるなと思いました。

新開

投稿日(2025/07/29)