コラム

酒家に捧ぐ

あちらこちらで桜がきれいに咲いている。
桜の木の下で花見をする人の姿はあまり見かけない。
扇にて 酒くむかげや ちる桜
爛漫の桜の木の下で、扇子を大杯に見立てて酒を飲む仕草をしてみれば、
そこへ風に舞う花びらが散り込んで、なみなみ注いだ酒杯に浮かぶ。
そんな情景を詠んだ松尾芭蕉の句だそうだ。
コロナ禍で、お酒の好きな人には、さみしい桜の季節かもしれない。
どこかの桜の下で、酒を飲む仕草をしている人がいるかも知れませんね。
(松本秀紀)

投稿日(2021/03/31)