忘れ物
朝の時間は、いつもあっという間に過ぎていきます。身支度に朝食、洗濯に・・・。
そんな慌ただしさの中、ふとダイニングテーブルに目をやるとお弁当用に持っていくために用意していた娘のお箸がポツンと取り残されていました。
「あ、お箸・・・」高校生の娘が、久しぶりに持っていくのを忘れたのです。
出かけるのを見送る際「忘れ物はない?」と声をかけ、いつものように「大丈夫、大丈夫」と返答して出かけたのにこのありさまです。
その時、私の頭には懐かしい記憶がよみがえりました。
娘が小学生1年生のころのことです。
給食用に持っていったお箸を毎日のように学校に置き忘れて帰ってきていたのです。
何度注意しても「あっ、忘れちゃった。明日は持って帰ってくるね~」と置き忘れ・・・週末に持って帰ってくる給食袋の中にお箸が3個入っていることも日常茶飯事でした。
あまりにも忘れるので、ついにはA4サイズの紙に「おはしをもってかえること!!!」と太いマジックででかでかと書き記し、ランドセルの内側の開けるとすぐ目につくところに貼り付けたこともあったな~と思い出し、自然と口元がほころびました。
夕方、帰宅した娘に「お箸、忘れてたでしょ」と話しかけると、「大丈夫だったよ~」と一言。
ごそごそとお弁当バックから使用済みの割りばしを取り出し頭上に掲げ、「こんなこともあろうかとロッカーに予備の割りばしをおいてます!」と。
聞けば、普段から“もしもの時”のために、学校のロッカーに予備の割り箸を入れてあり、忘れた人がいれば貸してあげたりもしているとのこと。
少し自慢げに話すその姿に、思わず笑ってしまいました。
日常の小さな出来事ですが、お箸ひとつの忘れ物が昔の思い出と今の成長をつなぐ小さな幸せのきっかけになりました。
M.K
投稿日(2025/12/09)