分譲マンションの価格と相続税評価
一般的にマンションの販売価格は、同じ間取りでも階数によって大きく異なります。1階よりも上層階の方が眺望や日当たりに優れ、人気が高いため販売価格も高く設定されます。特に最上階は「プレミアム感」が付加され、同じ広さでも百万円単位の差が生じることも珍しくありません。買い手にとっては「どの階に住むか」が生活の質を左右する要素であり、価格差はその評価を反映したものといえるでしょう。
ところが、相続税の世界では長らく事情が異なっていました。税法上の評価額は、同じ専有面積であれば1階も最上階も同じとされ、販売価格の差は考慮されていなかったのです。つまり、市場では明らかな価値の違いがあるにもかかわらず、税務上は一律に扱われてきました。このため、実際の取引価格との乖離が指摘される場面も少なくありませんでした。
こうした状況に変化をもたらしたのが令和6年の改正です。新しいルールでは階数による格差を評価額に反映させる仕組みが導入されました。具体的には、上層階ほど評価額が高くなるよう調整され、販売価格との整合性が高まったのです。これにより、相続税の計算においても市場実態に近い形で資産価値が示されることになりました。この改正は令和6年1月1日以後に相続、贈与により取得した分譲マンションについて適用されます。
(高嶋)
投稿日(2025/11/04)