令和2年11月現在
ひとり親控除が改定されました
- ひとり親控除
- (35万円)
と
- 寡婦控除
- (27万円)
令和2年度の税制改正により、ひとり親控除が創設され未婚のひとり親も所得控除が受けられるようなりました。これまでの寡婦(夫)控除との違いを、下の表で比較しながら見てみましょう。
まず、これまでの寡婦(夫)控除は、配偶者と離婚または死別している方が対象で、婚姻の事実があることが前提でした。そして所得者本人が女性か男性か、所得が500万円以下か超か、婚姻後、配偶者と死別したのか離婚したのかによって、それぞれ下の表のとおり控除額が定められていました。
改正前 | 配偶者 | 死別 | 離婚 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
所得金額 | 500万円以下 | 500万円超 | 500万円以下 | 500万円超 | |||
女性 | 扶養 親族 |
あり | 子 | 35万円 | 27万円 | 35万円 | 27万円 |
子以外 | 27万円 | 27万円 | 27万円 | 27万円 | |||
なし | 27万円 | ― | ― | ― | |||
男性 | 扶養 親族 |
あり | 子 | 27万円 | ― | 27万円 | ― |
子以外 | ― | ― | ― | ― | |||
なし | ― | ― | ― | ― |
注1)給与収入678万円以下の人が、所得金額500万円以下となります。
注2)合計所得金額48万円(給与収入103万円)以下の人が、扶養親族に該当します。
未婚のひとり親も控除対象に
この度の改正により、婚姻歴がなくても、要件を満たせばひとり親控除が受けられるようになりました。下の表の水色の部分がひとり親控除による控除額です。男女を問わず、次の要件を満たせば35万円の控除が受けられます。
- 要件
- その者と生計を一にする子を有すること
- 合計所得金額が500万円以下
- その者と事実婚の人がいないこと
(住民票に事実婚関にある人がいる旨の記載がないこと)
改正後 | 配偶者 | 死別 | 離婚 | 未婚のひとり親 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
所得金額 | 500万円以下 | 500万円超 | 500万円以下 | 500万円超 | 500万円以下 | |||
女性 | 扶養 親族 |
あり | 子 | 35万円 | ― | 35万円 | ― | 35万円 |
子以外 | 27万円 | ― | 27万円 | ― | ― | |||
なし | 27万円 | ― | ― | ― | ― | |||
男性 | 扶養 親族 |
あり | 子 | 35万円 | ― | 35万円 | ― | 35万円 |
子以外 | ― | ― | ― | ― | ― | |||
なし | ― | ― | ― | ― | ― |
婚姻歴がなくても対象に
ひとり親控除を受けられない方は、寡婦控除
ひとり親控除の対象とならない女性は、従来の寡婦控除により27万円の控除が受けられます。
上記②③に加えて、離婚の場合は、扶養親族を有すること(死別の場合は扶養親族がいなくてもOK)が要件となります。
ひとり親控除、寡婦控除の対象者は、扶養控除等申告書にきちんと記載し、年末調整時に控除もれがないようにしましょう。
なお、寡夫控除(男性)はなくなりました。また合計所得金額が500万円超の人の控除もなくなりました。