介護事業所の経営と労務管理

加算制度が、「条件付き」に!(09.05.18)

 「介護職員の待遇改善」の錦の旗が、早くも変色し始めています。

 居宅介護支援事業における「認知症加算」と「独居高齢者の加算」制度についての行政の説明会では「単純に認知症や、独居だからということで加算申請は出来ない」と説明がありました。

 「介護の手間がかかっているから加算をつけているのだから、手間がかかっていないのなら加算を申請出来ない」とのことでした。

 いつも思うのですが、行政の手続きで介護保険制度ほど「口頭による通達」と「後出しジャンケン」がまかり通っている領域は珍しいと思います。

 

①不思議な「口頭による通達行政」

 報酬を受け取る基準となるべき事項が、集団説明の場における「口頭連絡」でことが済まされるということ自体が正確さを期すべき行政のあり方としておかしいものです。

 行政の指導は、再現性のある文書で行うのが原則です。

 認知症の方や独居の方のサービスを提供している場合は「加算出来ます」と明示されているにも関わらず、その条件がありました。「手間がかかっていない場合は、加算申請出来ません」ときました。

 では、「手間がかかっている」かどうかの基準とは何なのかがについては、明確に具体的な説明が有ったかというと、これが全く不明確。

 情報が明確に組織的に普及されるためには、集団指導の口頭連絡だけでは不可能なことは当たり前のことです。

 この点が、非常に問題の大きなポイントの一つです。

 

②公明正大さに欠ける「後出しジャンケン」的指導

 介護保険制度が始まった頃に「毎月訪問」の基準も「特段の事情があるならば、翌月でも可能」との説明が行われていました。

 しかし、実地指導に来た職員は、調査のふたを開いて「特段の事情」とは「単に訪問したが不在だった」は違うという見解を説明されてしまいました。

 それなら、そうと早くから明確に説明をしてくれていれば、その基準で行動をしたのですが、実地指導は、後出しジャンケンそのものでした。

 誰が見ても分かる明瞭な基準を出さず、調査の段階で減算となる基準を明示するなどというのは、本当にフェアな行政活動とは思えません。

 今回の「介護の手間がかかっているかどうか」も要注意です。

③「介護の手間」を独自の3基準で検討

 県ケアマネとしては、①2度以上訪問した場合、②新たなサービスを利用するようになった場合、③頻繁な連絡を取った場合という3つの基準としてはどうかと論議しました。

 これを保険者であるところの市の介護保険課宛に質問をしてはどうかということになりました。

 文書で質問し、間違っているなら文書で回答せよと要望する予定です。




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