いまだに「虐待」と「身体拘束」が?(09.05.08)
地元の介護事業者の会合で「虐待」と「身体拘束」が話題となりました。
介護事業に従事するためにヘルパー研修を受けると、必ず施設実習があります。
この施設実習を受講した者から、必ず「幻滅」の声が聞こえるという話題でした。
せっかく「人の役に立ちたい」と思ってヘルパーになろうとしたのだが、施設実習では、陰湿さのある「虐待」と「身体拘束」を目の当たりに見てしまい、心が萎えてしまうということでした。
会合では「いまだに『虐待』と『身体拘束』をしている施設が残っているのか」と驚きの声が起こりましたが、これが「少数派」とは思えない状況にあることが問題として話題に。
ある参加者は、大規模施設で目の当たりにしたこととして「身体拘束でもしないと手が回らないし、虐待と取られても、おむつ交換のために一斉におむつを脱がせてまわったり、入浴の準備のために裸でたたせなければ仕事が回らない」という実態だったそうです。
また、食事の介助では、一人に食事介助をしていると、「時間と対応する人数を考えるとそれでは間に合わない」と職員に叱責され「順番に並べて次々と口の中に放り込む」ように実習指導があったようです。
利用者本人が訴える事無く、家族も知らないところで行われている場合は、闇の中ということで紛争とはならないことになります。家族も「お世話になっているから」ということで知らないふりということが多いようです。
将来の介護を考えると改善すべき問題の一つだと思います。
議論では、現場の実態を「経営幹部が知っていたかどうか」が話題となりましたが、目の前の入居者への対応のためには、仕方がないという悪循環が繰り返されていることが問題ではないかと話題になりました。
悪循環を絶つためにも「何のために経営をしているのか」「何のために働いているのか」という根本の基本理念に光をあてていくことから改善が始まると思います。
この点では、大規模な施設であろうがなかろうが、十分に注意すべきことでしょう。
なお「虐待」については、利用者の家族(それも直系尊属)による「虐待」と介護労働者による「虐待」とは精神構造が少し異なる点も、今後の研究課題ではないかとの議論もありました。
この点は、また、日を改めて検討していきたいと思います。
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