秋の訪れ (11.9.26)
つい先日までまだまだ暑いなぁ・・・と思っていましたが、ここ数日すっかり涼しくなりました。
毎年秋分の日の前後にふと涼しい風が吹き抜けると「秋きぬと 目にはさやかに見えねども 風の音にぞ おどろかれぬる」という和歌を思い出します。
中学校の授業で習った古今和歌集の藤原敏行の歌です。
古今和歌集が905年(平安時代)に醍醐天皇へ奏上されたものということなので、かれこれ1100年以上昔に詠われた和歌ということらしいのですが、想像もつかないはるか昔の人と、今同じ気持ちなんだなぁ、と思うとなんだかロマンチックな気分がして少しうれしくなります。
環境破壊とか、異常気象とかいろいろありますが、さらに1100年先の日本人も同じような気持ちを抱けたらいいのにな、とはるか未来にも思いを寄せてみたり・・・
ところで、私には秋の訪れを知るもうひとつの鍵があります。
平安時代とはうってかわって、少し昔に(ということにします)通っていた高校の近くの商店街で、果物屋さんが秋になると店先で焼きはじめる天津甘栗のいい匂い。
秋風に少しロマンを感じながらも「今年は栗ご飯とゆで栗両方楽しめるかなぁ?松茸には出会えるかしら?」とついつい食欲の秋に心を奪われてしまっています。
(和泉 有香)