ああ栄冠は君に輝く (11.8.22)
高校野球の決勝戦をテレビで観ました。エースの投じる渾身の一球、対するバッターのフルスイング、結末は空振り三振でゲームセット。甲子園の夏が終わりました。球児たちの熱い闘いには毎年胸を打たれます。
試合後の勝利したチームのキャプテンのインタビューにまた感動しました。「監督さんを胴上げしたいと思いやってきた。」そう言っていました。人は自分のことは二の次で、尊敬する人や、愛する人、そういう大切な人のために何かに向かうとき、持てる力以上のものを発揮できるのかも知れません。球児たちに大切なことを教えられたような気がします。
それはそうと敗れたチームのことも毎年気になります。ベンチ前で泣きじゃくる子、力を尽くしてむしろ清々しい顔の子、茫然とグラウンドを見つめる子。白球に青春の夢を追った少年たちのいろんな想いがそこにあるのでしょう。そういう姿を見ると、やはり何かしら声をかけてあげたくなるものです。
『甲子園』というさだまさしさんの歌にこんな歌詞があります。
3000幾つの参加チームの中で たったの一度も負けないチームはひとつだけ
でも多分君は知ってる 敗れて消えたチームも 負けた回数はたった一度だけだって事をね
今大会の参加校数は4,014校だったそうです。その中で地方大会から全試合に勝利して、全国の頂点に立ったチームはたしかにすごい。それに劣らず準優勝のチームもまたすごい。たった一度しか負けなかったのだから。そう、地方大会一回戦負けのチームだって同じです。たった一度負けただけじゃないですか。泣くな、泣くな。顔を上げろ。みんな胸を張れとそう言ってあげたいです。
(松本 秀紀)