心の復興 (11.5.19)
現在までの厚生労働省のまとめによると、今回の東日本大震災による震災孤児の数は、阪神大震災時の68人を上回り、すでに100人を超えているそうです。それに障がい者や高齢者のうち家族を失った人も合わせると、相当な数の人たちが震災により天涯孤独の身となっていることが予想されます。これから先、心に大きな悲しみを抱いて生きていかなければならないその人たちの人生を思うと心が痛みます。
今春、選抜高校野球の選手宣誓で、16歳の少年は「生かされている命に感謝し・・・」と述べ多くの人々に感動を与えました。それはきっと被災地の方々も同じだったと思います。その少年はまた「人は仲間に支えられ、大きな困難を乗りきることができると信じています。」と述べました。わたしもそう信じます。
震災孤児の中には、ただひとりこの世に残されたことを恨んでいる子もいるかも知れません。地震は起きました。津波はやって来ました。これは人間の力ではどうすることもできなかったのです。多くの仲間に支えられ、この現実を受け止め、やっぱり生きててよかったと思える日が一日も早く来るように、心の復興の歩を進めてもらいたいと切に願います。
今日、参議院議長が、「菅首相のどこがだめなんですか?」という記者からの質問に対して「全部です。」と答え、その周りのバカな記者たちの笑い声が聞こえてくるというニュース映像が流れていました。失笑しました。首相の全部がダメということは、彼を支える自分たちも全くの「無能者」ですと、国民に向かって言っているということがわからないんでしょうか。
高校球児の言葉に生きる勇気を与えられ、政治家の言動に絶望感を抱いてしまう・・・。政治やリーダーシップ論を語れるほどの見識を備えていませんが、この国はやはりどこかおかしいような気がします。
(松本 秀紀)