ノーベル賞に想う (08.10.23)
日本の4氏はうれしかった。今、米国発の世界金融危機、政権投げ出し時の幹部たちが反省も恥もなく政権続投、食品汚染など、嫌なことが続く中だけに。その喜び方、4氏4様であった。特に益川氏は学者らしい。受賞、は世俗的とテレビで語っていた。また、『一番嬉しかった』のは、1973年に小林・益川理論を発表後2001年に日米の実験でその理論が確認された時、とも語っていた。
小林・益川理論が誕生した京大助手時代は、益川氏は職員組合の役員をし、昼は大学当局と組合交渉、一方でビラの裏で計算をしていたという。ここで、考えなければならないのが、大学を独立行政法人化したり、学力テストを導入したりして、短期の成果を求め、予算配分も成果を上げた学校へ重点配分する「効率・経済至上主義」を教育の場へ持ち込んでいることだ。
南部氏の理論発表は1960年、48年前である。基礎研究にじっくり取り組める環境こそが掛け替えのないものだ。橋下大阪府知事・中山元国交相なんかが、「日教組が強い所が学テの成績が悪い」と、事実と逆のことを主張し、予算配分を変えるという。
特に、マスコミに煽動されない、読者・国民でありたい。また、その国の政治家水準はその国の国民レベルである、ということも良くかんがえたい。
(乃口健一)