「はらぺこあおむし」 (21.5.27)
数日前「はらぺこあおむし」を書いた絵本作家のエリック・カールさんが亡くなった。「はらぺこあおむし」は1969年の刊行で実に50年以上にわたり、全世界で読まれてきたベストセラーである。私とほぼ同じ誕生であるので、実に長い間読み継がれてきた本である。
作者は知らなくても、絵本の表紙を見れば誰もが一度は目にしたことがあるはずである。今、実際に本棚にあるよという人も少なくないと思う。実物の青虫は少し苦手であるが、はらぺこあおむしは、クリッとした目が実に愛らしい。リンゴやナシ、ケーキなどをどんどん食べてやがてサナギになり、そして美しいチョウへ。子供の大好きな果物やお菓子で引きつけつつ、数や曜日を織り交ぜることで、子供の教育にも最適な1冊である。
世界中のはらぺこあおむしが、ある日、絵本から飛び出して、コロナウイルスをどんどん食べてくれると一瞬にして日常が戻りそうな気がするのだが。
(酒井洋美)