「羊と鋼の森」 (18.7.3)
先日、何となく書店にならぶ本を眺めていて、「羊と鋼の森」を購入。
ピアノ調律師の青年の成長を描くみずみずしい作品でした。
調律の仕事を語る場面で
何度も詩人の原民喜の
「明るく静かに澄んで懐かしい文体、少しは甘えているようでありながら、きびしく深いものを湛えている文体、夢のように美しいが現実のようにたしかな文体」という文章が繰り返されました。
詩人の原民喜のことは、不覚にも初めて知ったので、早速調べてみました。
広島県で生まれ、敗戦の前年に妻を亡くし、自身は、原爆投下で被曝。後に、原爆投下の状況を表現した詩「原爆小景」や小説「夏の花」等の作品がありました。
朝鮮戦争が勃発した翌年に46歳で死去。
さっそく「夏の花」を一読しました。
毎年、8月は「不戦」や「ノーモアヒロシマ」が語られます。
戦争の無い時代に生まれ、徴兵も原爆も抽象的に考える傾向があります。「平和憲法」が示す「戦争の放棄」「戦力の不保持」「交戦権の否認」の三原則は、大切にせねばならない。(林)