難病による障害年金受給の相談で (14.6.15)
小さな字でビッシリと書いた字がつづられた、表紙が少し汚れ、色あせている小さな手帳。
Tさんは「今回、私がこのようなことになったことを切っ掛けに、母がこのように私のことを書いてくれていたのが分かりました」と出しました。
「○月○日 田んぼの畦を歩いていて、10分程、意識が不明に」
「○○病院のB先生に受診。ますます症状が酷くなることを相談」
Tさんの中学生時代から高校生時代の間の6年間の発症状況、受診の状況が淡々と書かれている。
ボールペンの色も時々変わる。
ページをめくって見ているうちに涙腺が緩んできた。親として、この記述をするときの気持ちはどうだろうか。
将来を危ぶむ気持ち。「どうしてうちの子が」と憤る気持ち。悪い夢では無いかと信じられない気持ち。
彼のお母さんは、何と思ったのだろうか。
おそらく、毎朝生きていることを喜びながら、晩ご飯を食べているときに会話をしながら、それなりに希望を持って、我が子を見つめていたのだろうか。
問題や課題の無い人間は、いないと思う。
そういえばうちのお母さん、「何をやっても良いが、人に迷惑をかけてはいけない」と私に言い続けていたことを思い出した。(林哲也)