最低賃金 過去最大の上げ幅へ!~2024年度 最低賃金の改定動向について~
昨年2023年度の最低賃金は全国平均で時給1,004円となり、全国で岩手県が最低額の893円、東京都が最高額の1,113円となりました。
そして本年7月24日に行われた、労使の代表者らが協議する中央最低賃金審議会の小委員会にて、時給で50円、率では5%引き上げる目安が示され、全国平均は時給1,054円とすることで決着されました。引き上げ額は昨年の43円を超え、過去最大となります。
引き上げの目安は各地域の経済状況に応じ、都道府県ごとにA~Cの3つに分類して示しています。東京都や大阪府などはAランク、北海道・兵庫・香川・徳島・愛媛などがBランク、青森や高知・沖縄などがCランクで、本年の引き上げの目安額はどのランクも一律50円となりました。
香川地方最低賃金審議会では、8月6日、香川県の最低賃金を52円引き上げて、1時間あたり970円とするよう香川労働局へ答申しました。時間額単独方式になった2002年度以降で引き上げ額は過去最高となりそうです。異議申し立てがなければ、970円の最低賃金が10月2日から県内の職場で適用される予定です。
義務化となったBCP(業務継続計画)の策定・見直しはできていますか?
9月1日は防災の日です。この時期に避難訓練などを行う事業所も多いのではないでしょうか。
今年初めの能登半島地震など災害は予期せぬうちにやってきます。人的被害を防ぐことは勿論、災害発生時にも業務を継続、あるいは一旦休止したとしてもすぐに復旧するために、業務継続計画(以下BCP)の整備が必要です。
特に介護・障害福祉事業所においては、今年度から自然災害及び感染症のBCP策定が義務付けられました。
自然災害BCP・感染症BCPのいずれかでも未策定の場合、減算となります。
令和8年度末までの間は、感染症の予防及び蔓延防止のための指針及び非常災害計画が策定されている場合は減算しない等となっていますが、運営基準違反となる場合があります。
又、減算となった場合、指摘された月からではなく、義務化となった令和6年4月から減算対象となりますので、収益にも非常に大きな影響を及ぼします。
そして、BCPができていないと、本当に災害や感染症が発生した時に、利用者・従業員の生命を守ることや生活を維持することができなくなってしまいます。まだ作成していない事業所は急ぎ作成しましょう。
様式については、特に定められていませんが、厚労省にて下記の特設ページが用意されており、雛形があり、必要な項目が分かりやすいので活用しましょう。介護事業所向けには記載例付きのものもありますので、参考にしながら、自社の状況に合わせて、作成を行いましょう
但し、感染症については、雛形が新型コロナウイルス対応のままとなってますが、5類感染症に移行した現在の影響度ではなく、今後起こるかもしれない未知の新興感染症を想定して作成する必要があります。
既に作成している事業所も、有事の際に本当に使えるものになっているか、訓練や見直しを繰り返すことが最も重要です。
- ●自然災害については、避難訓練と一緒に実施しても良いのですが、危難が去ったその先の業務再開・継続の為に備品の備蓄・調達方法、施設の復旧などより深く考えていく必要があります。
- ●感染症については、座学でのシミュレーション訓練でも構いません。
インフラや建物に影響を及ぼす自然災害とは異なり、基本的には人への影響のみとなりますので、
- 例えば、職員の〇〇さんが濃厚接触者になり、二週間出勤不可能な状態を想定して、シフトを作成する
- △△号室に入居している◇◇さんが感染したことを想定して、ゾーニングを検討する
こういったお題を与えて、どう対応するかディスカッションするだけでも対策になります。勿論、想定されうる事例は 無数にあるので、まずは可能性が高い事項から優先的に対策を立てていき、範囲を広げていきましょう。
又大切なことは手段ではなく、目的を共有することです。目的さえ一致すれば手段は各自考えてくれるでしょう。
合同経営グループでは、作成や見直しをサポートするBCP支援セミナープランもありますので、お気軽にご相談ください。